「ずっと同じ会社で働いている人は世間知らず」といわれることがありますが、実情はどうでしょうか。
この記事では、統計データからみえる実情も踏まえて、ずっと同じ会社で働いている人は世間知らずなのかどうかについて解説します。
併せて、ずっと同じ会社で働くことのメリットとデメリットについてもご紹介します。
ずっと同じ会社で働くことへの不安や疑問がある方は、ぜひ最後までお付き合いください。
【統計でみる】ずっと同じ会社で働く人の割合

まずは、実際に日本でずっと同じ会社で働く人の割合がどのくらいか、統計でみてみましょう。
総務省統計局「平成 24年就業構造基本調査」の調査票情報を基に厚生労働省が独自集計したデータによると、男性の場合、ほとんどが30歳までに最初の仕事に就業し、30歳台~50歳台中盤までは、約半数が離職せず最初の仕事を継続しています。
50歳中盤あたりから徐々に退職者が増える理由としては、60歳前後で定年退職を迎えるためだと考えられます。
つまり、男性の約半数は、60歳前後に定年を迎えるまでずっと同じ会社で働いているということになります。
ちなみに、女性についてはずっと同じ会社で働く人は少数ですが、これは出産・育児の影響で一旦離職する人が多いためと考えられます。

統計データから、現在でも男性の半数は生涯同じ会社で働いており「ずっと同じ会社で働く人」は少数派ではないということがわかりますね。
ずっと同じ会社で働いている人は世間知らず!?

実は、ずっと同じ会社で働いている人の評価は、以下の対照的な2つにわかれます。
世間知らずと言われてしまうタイプ
1つ目が「世間知らず」と低評価されてしまうタイプです。
世間知らずと言われてしまう人には、以下のような特徴があります。
- 向上心がない
- 視野が狭い
- 業績が悪い
- 職場での人間関係が良くない
このような特徴がある人がずっと同じ会社で働いていると「1社しか経験がないから」「転職経験がないから」「大企業で守られているから」などといった理由で世間知らずだと評価されがちです。
真面目で忍耐力があり優秀だと言われるタイプ
2つ目は「世間知らず」とは対照的に「忍耐力があり優秀」と高評価されるタイプです。
高評価される人には、以下のような特徴があります。
- 向上心がある
- 視野が広い
- 業績が良い
- 職場での人間関係が上手くいっている
- 周りから信頼されている
- 責任のある立場を任されている
職場の人との人間関係が良く、向上心を持って仕事に取り組み、良い結果を出している人がずっと同じ会社で働いているケースでは、周りから信頼され、責任のある立場を任される傾向にあります。

つまり、ずっと同じ会社で働いている人の評価は「人による」ということになります。
優秀な人がずっと同じ会社で働いていると、どんどん周りからの信頼が厚くなり評価が高まります。
周りから「世間知らず」と言われる場合は、仕事へ向き合う態度や業績、視野の狭さなどが原因の可能性があります。
▼こちらの記事では、自分が無能だと感じて仕事から逃げたくなった時の対処法について解説しています。お悩み中の方は、ぜひ目を通してみてください。
ずっと同じ会社で働くメリット・デメリット

ずっと同じ会社で働くことのメリットとデメリットをチェックしましょう。
メリット
- 職場の業務内容に詳しくなるため、仕事がしやすい
- 職場に自分の意見が言いやすい
- 収入が安定する
- 取引先との関係や信頼も深くなるため、業績につながりやすい
- 職場に仲の良い人ができやすい
- 昇給・昇進しやすい
- 退職金が多い
- 会社の人から必要とされる
デメリット
- 他の職場での経験を積めない
- 責任やプレッシャーのある仕事を任されがち
- 辞めにくくなる
- ずっと人間関係が変わらない
- 新人の教育係を任される
- 転職経験がないため勤務先が倒産したときの不安が大きい
- 新しい学びや刺激がない
- 正当に評価されていない場合は不満が募る

安定した収入や安心できる環境で働くことを重視する人には、メリットがたくさんですね。
逆に、新しい学びや経験、人間関係の変化を求める人にはデメリットが多く感じるでしょう。
まとめ
「ずっと同じ会社で働いている人は世間知らず」といわれることがありますが、統計データでみると男性の約半数は定年あたりまでずっと同じ会社で働いており、一概に世間知らずとはいえません。
ずっと同じ会社に勤務していても、会社の人は入れ替わりますし、部署異動や転勤もあります。
加えて、会社以外にも取引先の人とのつながりや趣味、子育てなどを通して社会と関わる機会もあります。
会社以外で世間を知る機会はたくさんあるため、ずっと同じ会社で働いているだけで世間知らずになるわけではありません。
むしろ優秀な人は、ずっと同じ会社で働くことでより信頼され、評価が高まっていきます。
一方で、「無能」「向上心がない」「役に立たない」などの印象を持たれている人においては「ずっと同じ会社で働いているから世間知らず」と評価されがちです。