健康的なイメージがある農業ですが、農業の正社員はきついという意見もあります。
農業の正社員に興味があっても、実際に体験をしたことがない人は自分に向いているのか不安に感じる人が多いでしょう。
この記事では、5年間農業に従事した筆者が農業の正社員がきついと言われる理由についてリアルな目線から解説します。
農業の正社員として就職や転職を検討している方はぜひ参考にしてくださいね。
農業の正社員はきつい!?農業経験者のリアルな本音
農業の正社員には、きついと感じるポイントが数多くあります。
農業のきつい部分を理解した上で、自分に適性があるかを判断しましょう。
農業経験者である筆者が感じた農業の正社員のきついと感じるポイントをご紹介します。
【農業の正社員がきついと感じるポイント】
- 夏の暑さ
- 朝が早い
- 肉体労働
- 虫がいる
- 単調な作業
- 天候に左右される
- 機械の操作
- お洒落ができない
- 労働環境
ひとつずつ解説します。
夏の暑さ
筆者が実際に農業に5年間従事して、一番きついと感じたのが夏の暑さです。
暑い中で体力を使う仕事をするため、熱中症のリスクが高い仕事です。
空調服を着用したり、保冷剤を体に装着したり、経口補水液をクーラーボックスで持参したり、夏は熱中症対策の準備だけでも大変です。
朝が早い
農業の正社員になると、作業内容によっては朝早く出勤しないといけないこともあります。
特に夏の暑い時期は、早朝から作業することが多いです。
早起きが苦手な人にはきついと感じるでしょう。
肉体労働
野菜を収穫したり、肥料を撒いたり、農業の仕事内容は基本的に肉体労働です。
腰や肩、首に負担がかかる作業が多いため、体が弱い人にはきついと感じるでしょう。
虫がいる
畑にはさまざまな虫がいます。
農作業の際に病害虫を見つけたら、駆除しないといけません。
(筆者の場合は芋虫を見つけたら足で潰さないといけませんでした)
長靴に虫が入っていたり、蜘蛛の巣に引っかかることもしばしば。
虫が苦手な人には不向きな仕事です。
単調な作業
農作業は時期によって作業内容が異なりますが、収穫や管理のための作業など基本的に単調な作業がほとんどです。
一日中同じ姿勢で黙々と野菜を収穫したり、剪定をしたり、単調な作業が苦手な人は苦痛に感じるでしょう。
天候に左右される
農業は、雨や台風など天候に左右されます。
仕事の予定が急遽休みになったり、休みのはずが仕事になったり、状況に応じて臨機応変に対応する必要があります。
機械の操作
一般的に農業では、トラックで出荷したりトラクターで畑を耕したり、機械を使う作業が数多くあります。
正社員として働く場合、さまざまな機械の技術や操作を覚える必要があります。
機械の操作を誤れば、大けがに繋がる可能性もあります。
機械の操作や運転が苦手な人には難しい仕事といえます。
お洒落ができない
農作業をすると、化粧は汗で流れ落ち、爪が汚れるのでネイルもできません。
帽子を被るので髪型をセットしても意味がありません。
動きやすさ重視の作業服や長靴で働き、帰るときには土と汗まみれになっていることも多いです。
お洒落をして働きたい!という人には向いていません。
労働環境
農業の仕事をする現場は基本的に、田舎の閑散とした地域にあります。
周りにコンビニもなく、車がないと出勤できないような地域に畑がある場合が大半です。
お昼休みにコンビニでご飯を買う、なんてこともできないケースがほとんどで、自販機すら近くにない現場もあります。
また、基本的に農地には簡易トイレしかありません。
現場によっては、簡易トイレすらないケースもあります。
農業の正社員のメリット
農業のデメリットをたくさんご紹介しましたが、農業にはメリットもたくさんあります。
ここでは農業のメリットをお伝えします!
- 自然に癒やされる
- マイペースに仕事ができる
- 生活リズムが正しくなる
- 運動になる
- 新鮮な野菜がもらえる
- やりがいがある
ひとつずつ解説します。
自然に癒やされる
農業の現場は基本的に自然に囲まれた場所にあります。
緑に囲まれて仕事をすると、リフレッシュできます。
マイペースに仕事ができる
農業は、マイペースにできる簡単な作業が多いため精神的なストレスが少ない仕事といえます。
複雑な人間関係やコミュニケーションをとるのが苦手な人や、自分のペースで黙々と作業したいタイプの人にはとても向いています。
生活リズムが正しくなる
基本的に農業は、朝方から日中に仕事をします。
太陽の光を浴びて体を動かして働くと、夜は早い時間に眠くなり、自然と早寝早起きが身に付き、生活リズムが整います。
運動になる
農業では、体を動かす作業が多いため、仕事に行くだけで充分な運動ができます。
重いものを持ったりする作業もあり、自然と筋トレにもなります。
新鮮な野菜がもらえる
基本的に農業では、出荷するには品質が良くないけれども食べには問題がない野菜がたくさん余るので、新鮮な野菜をたくさんもらえます。
筆者もよく、段ボール箱いっぱいの野菜をもらっては近所に配っていました。
やりがいがある
農業は、種や苗から作物を育てて、収穫をします。
自分がやっていることの成果が収穫物としてしっかり目に見えるので、やりがいがある仕事といえます。
農業の正社員が働きやすいかどうかは職場による
農業のデメリットやメリットをご紹介してきましたが、実際のところ、農業の正社員が働きやすいかどうかは、就職先の職場次第です。
働きやすい職場を選ぶには、給与や年収・賞与以外にも大切なポイントがあります。
ここでは、働きやすい職場を選ぶためにチェックすべきポイントをご紹介します。
福利厚生が充実している
有給消化率や育児休暇、住宅手当など、福利厚生が充実している職場は、社員を大切にしている会社の可能性が高いです。
残業や休日出勤がない
労働時間の長さや、残業や休日出勤がどのくらいあるかを事前にチェックしましょう。
農業は作物の都合で残業や休日出勤などが多少必要になる場合はありますが、労働時間や休日出勤があまりにも多い職場は避けましょう。
離職率が低い
いつも求人サイトに掲載されていて常に人を募集している会社は、離職率が高い会社といえるので注意しましょう。
働きやすい職場なら、頻繁に人が辞めることはないでしょう。
企業の口コミサイトでの評判をチェックするのも良いでしょう。
目的に合った事業内容か
農業の正社員として働くには、個人事業主の農家さんに雇ってもらうか、農業法人の社員として雇用されるかの2通りになります。
将来的に独立して就農を希望している場合は、独立を支援している個人事業主の農家さんの元で働くと経営や販売についての知識やノウハウも身に付けることができます。
農業法人や農業生産法人では、多くの種類の作物を栽培していることもあり、就職後にどの作物の担当になるかを選べない可能性があります。
栽培したい野菜や果物が決まっている場合は、自営業の農家さんに雇用してもらうのがよいでしょう。
給与や福利厚生だけではなく、自身の目的にマッチした就職先を選択することが大切です。
面接の際には、就業後の目標を伝え、質問に正直に回答することで相性が良い就職先が見つかりやすくなります。
農業の正社員に向いている人はこんな人
以下の条件に当てはまる人は、農業の仕事に適性があります。
- 自然や植物が好きな人
- 体を動かすのが好きな人
- 単調な作業が好きな人
- 体力がある人
- 虫が平気な人
当てはまる人はぜひ、自分にあった職場を見つけて農業にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
最近では、1日単位の農業バイトの求人も数多くあります。
転職してから後悔したくない、いきなり正社員でやっていけるか不安があるという人は、まずはアルバイトで農業を体験してから検討するのもおすすめです。
まとめ
農業の正社員は、きついと感じるポイントがある反面、自然の中でマイペースに仕事をできるといったメリットもたくさんあります。
他の職業でも同様ですが、働きやすいかどうかは職場によって異なります。
農業の正社員に興味がある人は、まずは自分自身の自己分析を行い、適性があるかを判断しましょう。
就職や転職先を選ぶ際には、福利厚生や残業の有無などをチェックして、自分に合った就職先を選択することが重要です。
筆者は全くの未経験から農業に5年間従事しましたが、毎日が充実していて心身共に健康的に過ごせていました。
太陽の下で体を動かし、野菜を栽培する日々はとてもやりがいがあり、魅力に溢れた仕事でした。
少子高齢化社会の影響で日本の農業は全国的に人手不足問題に直面しており、未経験でスキルがない人でも採用されやすい業界といえます。
農業の正社員への興味がある方は、この記事を活用して第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?